日頃よりV-CATS JAPANの活動を支えてくださっている皆さまへ、心より御礼申し上げます。

7月28日の発災以降、私たちは熊本県内で、被災した猫たちの捜索・保護を続けてきました。

8月8日以降、活動は新たな段階に入りました。

「猫は見つかった。でも、一緒に暮らせる場所がない」

迷子になった猫を見つけることと同時に、保護した後の猫と飼い主さんをどう支えていくのか。

被災地で活動を続ける中で見えてきた、新たな課題への取り組みが始まっています。

迷子猫46件の相談、34件が解決

8月16日時点で、V-CATS JAPANに寄せられた迷子猫の捜索相談は46件。

そのうち、帰宅・保護などによって**34件が解決し、解決率は約74%**となりました。

クー、テル、ミルク、ペル、お嬢、ボブ、さくらをはじめ、複数の猫たちの無事を確認することができました。

自力で家に戻ってきた猫、捕獲器で保護できた猫、目撃情報と現地調査を重ねて発見につながった猫など、再会までの道のりは一頭一頭異なります。

一方で、まだ見つかっていない猫たちもいます。

飼い主さんへの聞き取り、チラシの作成・配布、定点カメラや捕獲器の設置、夜間の捜索など、現在もそれぞれの猫の状況に合わせた捜索を続けています。

「猫は見つかった。でも、帰る場所がない」

捜索活動を続ける中で、私たちは新たな問題に直面しました。

地震によって自宅に戻ることができない。

親族宅へ避難しているものの、猫とは一緒に暮らせない。

避難所に猫を連れて入ることが難しい。

被災した飼い主さんが置かれている状況は、それぞれ異なります。

そのため、猫が無事に見つかっても、すぐに飼い主さんとの生活に戻れるとは限りません。

獣医師会による一時預かり制度もスタートしましたが、さまざまな事情によってすぐには受け入れにつながらず、猫の預け先がなく困っている被災者の方々もいます。

そこでV-CATS JAPANでは、熊本市内に一時預かりシェルター、

「V-CATS BASE」

を開設しました。

民間団体だからこその機動力と柔軟性を生かし、既存の制度だけではすぐに支援につながることが難しい方々にも寄り添えるよう、必要な猫を迅速に受け入れられる体制を整えています。

猫たちを安全に預かるために

8月9日から10日にかけて、各地からスタッフが熊本へ入り、V-CATS BASEの受け入れ体制を整えました。

シェルター内へのケージの設置、衛生管理、猫ごとの用品の区分け、食事や排泄の記録など、一頭一頭の猫を安全に管理するための仕組みを作っています。

ココとクゥをはじめ、被災した飼い主さんからお預かりした猫については、保護日、健康状態、投薬や処置内容などを継続して管理できる記録システムも導入しました。

災害時の支援では、日によって担当するスタッフが変わることもあります。

誰が担当しても猫の状態を正確に把握し、必要なケアを継続できること。

そして、獣医療が必要になった際にも、それまでの情報を正確に引き継げること。

それも、猫たちを安全に預かるための大切な準備です。

獣医療チームも熊本へ

V-CATS BASEの整備と並行して、獣医師、愛玩動物看護師、獣医学科の学生、レスキュースタッフによる医療チームを編成しました。

移動診療車**「V-CATS CAR」**も熊本へ入り、避難所での診療や、必要に応じて捜索・保護現場へ出動できる準備を進めました。

8月11日には、医療チームが宇城市内の防災拠点や避難関連施設を回り、ペットと避難している方や、診療を必要としている動物について情報収集を行いました。

現地では、避難所の担当者がペットの状況を十分に把握できていないケースもありました。

そこで施設への訪問だけではなく、各拠点への電話確認、相談窓口の案内、チラシの設置、SNSでの発信などを組み合わせ、支援を必要としている方へ情報が届くよう活動しました。

その聞き取りの中で、

「ネコのバスを探している飼い主さんがいる」

という情報も得ることができ、翌日の診療へとつなげることができました。

V-CATS BASEで猫たちの健康確認

同日、V-CATS BASEでは、ココ、クゥ、ラキの健康確認を行いました。

体重測定、ワクチン接種、駆虫薬の投与、傷の確認などを実施し、翌日の手術・処置に向けて診療情報を共有しました。

クゥには右前肢に傷痕とかさぶたが確認されましたが、獣医師が診察した結果、緊急の処置は必要ないと判断。翌日の麻酔時に改めて確認する方針としました。

診療結果はその場で電子カルテへ反映し、次に担当するスタッフへ正確に引き継げる体制を整えています。

「見つける」から、その先へ

発災直後から、私たちは迷子になった猫を一頭でも多く見つけ、家族のもとへ帰すために活動してきました。

しかし、被災地で活動を続ける中で改めて見えてきたのは、

猫を見つけるだけでは、支援は終わらない

という現実です。

見つかった猫を安全に保護する場所。

必要な医療。

飼い主さんが生活を立て直すまで、安心して猫を預けられる環境。

そして、再び家族が一緒に暮らせるようになるまでの支援。

V-CATS JAPANは、猫を「見つける」だけではなく、保護したその先まで支える活動を続けていきます。

次回の活動報告では、8月12日から本格的に始まった、V-CATS CARとネスレ日本「ピュリナ ネコのバス」を活用した被災地での獣医療支援についてご報告します。

皆さまのご支援が活動を支えています

V-CATS JAPANは、行政からの委託事業として活動している団体ではありません。

迷子猫の捜索、V-CATS BASEの運営、猫たちの医療、スタッフや車両の派遣など、現在の活動は皆さまから寄せていただくご寄付によって支えられています。

まだ捜索を待っている猫がいます。

そして、猫が見つかった後にも、支援を必要としている飼い主さんと猫たちがいます。

一頭でも多くの猫を守り、一組でも多くの家族を再びつなぐために、引き続き温かいご支援と情報拡散へのご協力を、どうぞよろしくお願いいたします。

一般社団法人 V-CATS JAPAN